天然の蓮の香りをまとったベトナム伝統の蓮茶・ロータスティー
ベトナムで、古くから王族の為のお茶とされていた蓮の花で香りづけした貴重な蓮茶です。
- 早朝の池から、花開く寸前の蓮の花を摘み取り、丁寧に手作業でガオセン(雄しべの先の葯)だけを集め、お茶に香りをうつして作られます。100gの蓮茶を作るのに必要な蓮の花は100本。蓮茶のなかでも、香料を使用せず、蓮本来の自然の香りが楽しめるものは大変貴重となりました。
- 同じ茶葉で5〜8煎ほど淹れることができます。小ぶりのティーポットで少量づつ抽出し、何杯もお茶を楽しむゆったりとしたティータイムをお過ごしください。
- Long considered "Tea for dynasties" in Vienam, lotus tea flavoured with actual lotus flowers has its precious value. The tea is made by transferring flavours of carefully collected Gaosen, anthers of stamens of lotus flowers to tea leaves. The flowers are gathered from the quiet and peaceful early morning pond when they are just about to bloom. 100g lotus tea requires 100 lotus flowers. Today, among lotus teas made there, the tea using only natural lotus flowers without any artificial agent is rare. Five to eight brews can be enjoyed from the same tea leaves. Enjoy slow and relaxing tea time drinking many cups brewing in a small teapot over and over.
小さな黄土色の粒が香りの元の葯(やく)です。ベトナムの国の花でもある蓮。オリエンタルで美しいその花の香りを楽しむロータスティーはとてもロマンティックな伝統的なフレーバーティーとしてお茶好きの中でも知られています。
- ベースのお茶はベトナム東北部ハザン省(Hà Giang)で作られたもの。元々のお茶の樹の原産地・中国雲南省と国境を接するこの地に、古来から自生する大葉種から作られるシャントゥエット茶(Shan Tuyet Tea)を2年寝かせたものを用いるそうです。蓮の花が一斉に開花する6〜7月にのみ作ることのできるお茶です。
- 香りの元となっている雄しべの先にある葯と呼ばれる胡麻くらいの大きさの粒がお茶に混ぜられています。全ての杯で香りを楽しんでいただくために茶葉をティーポットに入れる際はバランスよく葯が入るように茶さじて丁寧にすくとってください。
コラム「蓮茶作りの景色を訪ねて…」はこちらをクリックしてください。
蓮の花が最も高く香る、雨季のハノイへ…。
6月から7月。雨季を迎えた ハノイの街角には、いたるところに蓮の花束を抱えた花売りの姿を見かけることができます。ベトナムの国花でもある蓮は、日本人の私たちにっての桜と同じく、神聖で大切な花。
そんな美しい蓮の花を使って香りを付けるハス茶作りの風景を訪ねました。
早朝から眩しい南国の光が降り注ぐ、朝6時前。ハノイの朝は早く、すでにオートバイの走る音が街中に響く中、広場や道端では、朝の運動をしたり、屋台で朝食をとる人々で活気に満ちいています。
そんなハノイ旧市街の喧騒から4〜5km離れた場所にある太湖では、今も蓮畑が広がり、蓮茶作りに欠かせない、美しく香り高い蓮の花を求める人々が次々と訪れていました。
初夏、5月から9月の終わりまで、ベトナムのいたるところで咲き誇る蓮の花ですが、特に香り高いものは6月から7月までしか採れないとのこと。蓮茶作りはこの2ヶ月間が最盛期となります。
夜に花咲き、昼前には閉じてしまう蓮の花。摘み取り作業も早朝から行われます。
花を摘むのは男の仕事。竹かごで作ったボートに乗ったおじさんやお兄さんがゆっくりと池を移動して、膨らんだ蕾を次々に摘み取っていきます。
ボートいっぱいに集められた蓮の花を持って岸に戻ると今度は女性陣の出番。綺麗に整え、花束にして、買い求めに来た人々へと手渡していきます。
そうして手にした摘みたての蓮の花の香りが逃げないうちに蓮茶作りは始まります。
蓮茶作りに必要な部分は、ガオゼンと呼ばれる雄しべの先の葯(やく)の部分。
まずは、ビンクの美しい花びらを外し、黄色の蜂の巣型の部分と雄しべだけの状態にしてしまいます。
次に雄しべの先の白いガオゼンを優しく指で撫でながら外して集めていきます。潰さないようにそっと優しく、しかし、香りが逃げないように手早く。おしゃべりをしながら楽しそうに作業する女性たちはいとも簡単にどんどんとガオゼンを集めていくのですが、実際やってみるとなかなか難しい作業。余分な部分が沢山はいってしまうのです。
丁寧に集めたガオゼンは、蓮の花100個分でやっと、蓮茶100g分の香りをつける事ができる量。気の遠くなる繊細な手作業のため、量産はできません。現在、おみやげ屋やスーパーなどで手に入る蓮茶は、ほぼすべて、こういったガオゼンではなく香料を使って香りが付けられたもの。天然の蓮の花だけで蓮茶をつくる店は、いまではハノイで2軒だけになってしまったそうです。
そしていよいよ、茶葉に香りづけ。
ベトナム北部、中国との国境付近で作られる緑茶とガオゼンを交互に敷き詰めて1日置いた後、7〜8時間蒸気で煎り、乾燥させていきます。この作業を15日間掛けて7回行い、ようやく蓮茶が完成します。
また、比較的新しく考えられた簡易な方法として、花の蕾をこじ開けて、直接、おちょこ1杯分の茶葉を入れ、香りが逃げない様に蓮の葉でチマキ状に包み置く方法もあります。
出来上がった姿が、ころんと愛らしい形のこの方法は、柔らかい香りが特徴。ただ、お茶の葉が蓮の花の湿気を吸うため、あまり日持ちせず、作った翌日以降、早めに楽しまなくてはいけません。
手間暇をかけて作られた蓮茶は、ベトナムの人々にとっても特別なお茶。かつては王族のみが楽しむことのできる貴重なものでした。いまでも、お正月など家族が集まる特別なひと時にゆっくりといただく大切なお茶として人々に楽しまれています。
雨季のハノイを訪れる事がありましたら、ぜひ、蓮畑の広がる太湖まで足をのばして、美しい蓮の姿と蓮のお茶を楽しんでみてはいかがでしょうか?
写真右下の緑色の葉に束ねられた中に蓮の花がまるまる1個入っています。
お茶うけには蓮の実を。根っこは蓮根として、茎も野菜として食用に。余すことなく使われます。
こちらの商品は、茶葉の形状が大きいため、ティーバッグのご用意はありません。
おすすめの商品
|
|
|
|