ミストバレー茶園について
ネパールの東側に位置するイラム地方ミストバレー茶園。ダージリンともほど近い場所にあります。TEAPONDでは、ミストバレー茶園と継続的なお付き合いをしており、定期的に現地を訪れています。
【ネパール紅茶の歴史】
西暦1989年、Tea & Coffee Projectと呼ばれる国策によって、茶園開発が本格的に開始されたのが、ネパール紅茶の始まりです。ネパールの東側を中心の4つのエリアに補助金を出してお茶の生産が奨励されました。
東部4エリア
・ジャパ(Jhapa)
・フィディン(Phidim)
・イラム(Ilam)
・ダンクタ(Dhankuta)
現在では、下記の産地にもお茶所を広げているようです。
・タプレジュン(Taplejung)
・サンクワサバ(Sankhuwasabha)
・ポカラ(Pokhara)
【ミストバレー茶園について】
ミストバレー茶園は、前述のネパールの Tea & Coffee Project をきっかけに、1989年に茶園主のスレッシュ・モロハン・リンブー氏によって、スレッシュ氏の父の土地を使い、イラム地方ジットプールにて茶畑をスタートしました。就農当初は、政府の人に農業指導してもらい、茶の木を植樹していたとのことです。
その当時は、ミストバレーではなく、「モロハンティーガーデン」という名称を使用していました。(モロハンとは、スレッシュ氏の部族「リンブー族」のカースト名称。)
その後、農業銀行の支援を受けて、2004年4月27日に、現在の工場を設立。この時、「ミストバレー茶園」という名称に変更しました。名称の第一候補は他にあったようですが、商標の都合もあり、「ミスティーマウンテン」というネパールでポピュラーな曲の名称と、霧が立ち込めるこの場所と地形にインスピレーションを受けて、名付けられました。
現在では、スレッシュ氏を長として、二人の息子さんをはじめ、工場スタッフ35人、フィールドスタッフ3人、自社茶園部分の茶摘み20~30人にて運営されています。また、工場から8キロ圏内の450のファーマーからの茶葉も買い取っています。
ミストバレー茶園が所有する自社ガーデンでは、朝9時から夕方5時までの間に摘み取りをし、周辺の契約ファーマーからも夕方5時頃を目安に、茶葉が工場に持ち込まれています。その日摘まれた茶葉は、秤に載せられ、何キロ摘んだのか、また、摘んだ茶葉のクオリティーはABCの3段階で評価され、帳簿に記載されていきます。
夕方5時を過ぎると次々に人々が集まってきて帳簿付けの列になります。
ミストバレー茶園で特に印象的なことは「クレンリネス」の徹底です。また製造するお茶のグレードも数種類とシンプル。ミストバレーの工場は、どの紅茶製造工程の作業部屋もとても清潔で、茶葉が床に落ちていると直ぐにスタッフが箒で掃き集めていきます。製造ルールとスタッフの自主性の両立のもと、皆キビキビと動いています。製造品目群のシンプルさと効率化の徹底、スタッフの働いている姿勢とやわらかな雰囲気も印象に残ります。
これらの全ての要素によって、一定水準以上のクオリティーをもった製品が生まれるという考えに基づき、余計なことをせず、現在取り組んでいる仕事にしっかりと集中し、良質なものを作るという、シンプルながら、なかなか実行が難しいスレッシュ氏の哲学に基づいた運営方針は、出来上がったお茶や、そこで働く人と組織に漂う雰囲気に表れています。一見、当たり前のようにも思えますが、やってみると当たり前の継続というのは、思いの外難しいことでもあります。努力の積み重ねの先に、類稀なものが生まれるのかもしれないと、TEAPONDでは感じています。
またミストバレー茶園は、訪れる度に、施設に改良が加えられおり、つねに身の丈にあった改善による効率化がみられる点も、創業者が健在な組織ゆえなのかもしれないと感じさせられるところです。
【ミストバレー茶園のシーズンティー】
・ファーストフラッシュ(春摘み)
・セカンドフラッシュ (夏摘み)
・オータムナル(秋摘み)
主な輸出先としては、以下の通りです。
・ファーストフラッシュ:日本、フランス、インド
・セカンドフラッシュ:日本、インド、ドイツ、台湾
・オータムナル:日本、インド
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TEAPONDは、上記3シーズンご用意しております。ダージリンにも劣らないクオリティにもかかわらず、ダージリンよりも比較的安価にご用意することができます。質が高く手ごろな紅茶をお探しの方は、よろしければぜひ、ミストバレー茶園の紅茶をお試しください。デイリーに飲んでも飽きがこない、リピーターも多い紅茶です。
現在、TEAPONDでお取り扱いしているミストバレー茶園の紅茶は以下のページよりご購入いただけます。
https://teapond.jp/collections/mist-valley
現地の人に、お茶の飲み方を聞いてみました!
以前、バイヤー担当がミストバレー茶園を訪問した際、現地の方にお茶の飲み方を聞いてみました。飲み方はストレートが多く、ミルクはあまり入れないとのことです。また、地元の方にお茶をご馳走になる機会があったのですが、春摘みのお茶に、ミルクやお砂糖ではなく、たっぷりとブラックペッパーが入っていました。ブラックペッパーのスパイシーさが春摘み茶の甘みや旨みをより引き立ててくれるような、好みの味わいでした。皆様も、試してみてはいかがでしょうか?
なお、ネパールではお茶を「チア(CHIYA)」と呼び、日本とも近い言い方をしています。